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アンガーマネジメントファシリテーター 久下渚(くげなぎさ)

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最期まで、否認していたTさん

看護

08/152017

最期まで、否認していたTさん

【最期まで否認し、怒りをぶつけて亡くなっていったTさん】

 

 

私が終末期の病棟に異動したばかりの頃、

このTさんとの関わり方がわからず、非常に胃の痛い毎日を過ごしていました。

 

 

Tさんは、ナースステーションの隣の個室に

入室されていた、40台の肝臓がん末期の患者さんでした。

 

 

18歳と20歳の娘さんが居て

Tさんと同い年の旦那さんが居て。

ごくごく普通の家族構成の方で

そして

もともとは近くの比較的大きな市立病院で働いていた

病棟師長さんでした

 

 

彼女は肝硬変からの肝がんを患っていました。

お腹は、まるで双子妊娠後期のように腹水でパンパン

なのに体はやせ細り、全身カサカサ。

そして眼も黄色く全身はドス黒く

口臭、体臭も特徴的な

典型的な肝がんの末期患者さんそのものでした。

 

 

 

 

彼女は明らかに私に、きつく当たっていました

 

 

針刺し予防のために

全患者さんに

注射、採血は翼状針で注射をするという決まりだったのですが

それすらを拒み、利尿剤の注射を普通針でやれ

と、強く要求したり。

(確かに、C型肝炎やB型肝炎ウイルス性の癌ではないので、感染らないのですが)

    【翼状針】

   【普通針23G】

 

 

「Tさん、ごめんね、翼状針でします。」

と、こちらが意思を通した時も、

「それなら空気を入れてギリギリのところまで入れなさいよ」

と注文される。

1滴たりとも利尿剤を無駄にしたくないという思いが

強かったんでしょう。

そして

医療従事者でしたから、

C型肝炎やB型肝炎からの癌ではないから

万が一針刺し事故をしても、感染らないとわかっている、

そのうえで注文している感じがある方でした。

 

 

また、利尿剤の反応が悪く、尿が出ても10CC。

そんなだったのですが

(もちろん肝がん末期なので利尿剤は殆ど効きません)

 

 

「オシッコ出ないじゃないよ!あんたの注射が下手くそだからでしょ!!」

ポータブルトイレを蹴飛ばしながら

そんな風にも言われました。

  【ポータブルトイレ】

 

 

しかしながら、彼女は医療従事者なので

利尿剤がもう殆ど効かないことも分かっていたはずでした。

 

 

検温やケアに行った際、話しかけても、全くの無視。

ある日はこんな事を仰られました。

 

「なんでこの私が、あんたみたいな新人に看てもらわないといけないわけ?!」

「なんで私が、こんな目に遭わないといけないわけ!?」

 

 

でも私は何も言いませんでした。

つとめてつとめて、どの患者さんにも同じように

振る舞っていました。

 

私に言うことで、何かTさんの気持ちが楽になるなら

その役は引き受けよう。

 

自分の状態を受け入れられないんだな、Tさん。。

 

そんなふうに思っていました。

でも、私も一人の人間でしたから

毎日毎日Tさんからぶつけられる気持ちは

正直、苦痛でした。

 

 

Tさんは家族の付き添いがない日は

5分10分おきのナースコールでした。

でも、ご家族が居ても、結構な頻度でナースコールは押されていたのでした。

 

 

娘さんや旦那さん、誰かしらご家族がついていても、

Tさんの私に対する口調や態度は変わりませんでした。

 

 

家族はただ、ため息をつきながら、

Tさんの発言や態度、その光景を

ぼーっと眺めている

そんな感じでした。

 

 

 

 

 

何やらご家族に対しても大声で怒鳴っている

そんな声がよく、部屋から漏れていました。

大きな音がして、どうされましたか と訪室すると

何かが投げつけられたかのように散乱し、そこにいたご家族は

疲れたような、悲愴な、何かもう諦めたかのような

何とも言えない顔をしている

 

 

そんな光景を目にしたこともありました

 

 

 

 

私はなぜかTさんの担当になることが多く

Tさんのナースコール対応だけで

業務が全く回らない、

7時半に出勤し、帰りは21時前

そんな日も少なくありませんでした。

 

 

ある日Tさんがまたいつものように、

ナースコールを押されました。

 

 

たまたまTさんの部屋の前で酸素ボンベの流量計交換をしていた私

 【流量計交換】

 

交換に必要なスパナを持っていたのですが

スパナをその辺に放置できないので

ポケットにしまいTさんの部屋を覗いて伺ったのですね

 

 

「Tさん、ナースコール、どうされましたか?」と。

 

 

するとTさん、私のポケットの先から出ていたスパナの先端を見て

パニックになりました。

 

 

「誰かきてー!!!久下さんに殺される!!!!!」

 

 

そんな風に叫んで、必死にナースコールを押し続けられました。

 

 

(…しまった。)

 

 

私はそう思いました。

 

そんなつもりじゃなかったけれど

スパナをポケットに入れてしまっている

先輩ナースも、よくみかけましたから

まさか、そんなふうに患者さんに言われるとは思いもしていなかった

患者さんからはそんな風に見えるのかと

 

 

そしてTさんは自覚していたのか?と

 

 

私に何か、仕返しされるかもしれない

それくらいのことを

私にしているのだと

 

 

いや、それはわかりませんが、瞬時にそんなことも思いました。

 

 

 

Tさんは血中アンモニアが高くなっていたのかもしれません

もう私もその時のTさんの血液検査の数値のことまでは覚えていません。

 

 

その時は

先輩かほかの誰かに対応してもらいましたが

Tさんはいつまでも私のほうをみながら

すごい形相で

久下さんに殺される

って言い続けていました。

 

 

 

 

それからほどなくしてTさんは亡くなりました

 

 

 

ご家族は

 

 

 

ようやく逝ってくれました。

家内が貴女には、大変ご迷惑をお掛けしました。

許してください。

 

 

そう、一言、私にのこされました。

 

 

ようやく。。。

真意はわかりません。

私は、何も何も 言えませんでした。

 

しかし、私も肩の荷が下りた

 

そんな思いが片隅にあったのは事実でした。

 

 

 

 

 

 

Tさん、最期まで受け入れられなかったのでしょう

Tさん、孤独だったのでしょう、納得なんかいかなかったのでしょう

 

最期の最後まで満たされることはなかったのでしょう

 

否認し続けて、怒りをぶちまけて、「なんで私が」と

亡くなられていきました。

 

 

 

Tさんを見送られた安堵にも似たご家族の表情が

今でも忘れられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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